お知らせ

2024.08.07

イベントレポート

「札幌AI道場・第三期」開設式(キックオフイベント)

※札幌AI道場・第三期の詳細については、こちらからご確認いただけます。
※本イベントのアーカイブ動画は、さっぽろ産業振興財団のYoutubeチャンネルで配信しております。

 

1.イベント概要

【日時】2024年7月8日(月)16:3019:45
【会場】札幌市民交流プラザ2階 SCARTSスタジオ1・2(札幌市中央区北1西1)

2.開会挨拶

冒頭、札幌市経済観光局の坂井局長が開催の挨拶を行い、札幌AI道場のこれまでの成果やデジタル人材育成に関する今後の抱負を述べたうえで、道場への参加を呼びかけました。

ChatGPTをはじめとした生成AIサービスの台頭、北海道・札幌における半導体関連企業の集積などに伴い、AI技術やそれを活用できる高度人材の重要性は、今後ますます高まっていく。AIを学びたいエンジニアや学生の方々、AIを活用しビジネス上の課題解決を目指す企業の皆様には、是非とも積極的に道場に参加してほしい。

3.基調講演

続いて、道場最高師範の川村 秀憲氏(札幌AIラボ ラボ長 / 北海道大学大学院情報科学研究院 教授)による基調講演が行われ、人工知能が発展し社会に浸透していくなかでの人工知能との付き合い方について語られました。

―世界中で必要とされる汎用的な能力は人工知能化されていく。逆に、世界中で自分しか考えていないこと・やっていないことは人工知能にとって代わられる可能性が低い。人間は多様な価値観を持ち、人間にしかできないことを追求していくべき。

―人工知能の発展と社会浸透は止めることはできない。既存の社会的フレームの価値観にしがみつくのではなく、テクノロジーにあわせて社会をアップデートしていくことが必要である。

4.特別講演

基調講演の後は、岡田 隆太朗氏(日本ディープラーニング協会 専務理事)より、日本ディープラーニング協会の活動紹介や、AI道場への評価を述べていただいたうえで、生成AI活用に関する世界・日本の政策動向、生成AIを活用する重要性についてお話しいただきました。

AI道場が実施している「AI人材の育成」「コミュニティ形成」「事例の創出」というのは、まさにJDLAが行っていることと同じ。是非引き続き支援させていただき、圧倒的な成果をどんどん世の中に発信していってほしい。

―生成AIの登場は、内燃機関の発明やIT革命と同じく、幅広く生活の質を向上させる「歴史の画期」となる可能性があり、今すぐ取り組むべき。活用しないことこそがリスクである。

5.道場解説

道場の総師範である中村 拓哉氏(札幌AIラボ 事務局長 / 株式会社調和技研 代表取締役)からは、道場の目的や今期の取組、北海道の教育現場に拡がるAI道場の事例紹介等について解説いただきました。

AI道場の取組は、苫小牧工業高等専門学校や旭川工業高等専門学校などの教育現場でも実践的な学びの場として拡がっている。

―これからの未来は確実にAIによって変わっていくが、やはり主役は「人」であると思っている。AIを導入した未来が理想的なものになるか否かは、今ここにいる我々次第。今日ご参加いただいている皆さんの力を借りて、道場の輪を拡げていき、北海道・札幌の未来をより良いものにしていきたい。

6.クロストークセッション

道場最高師範の川村 秀憲氏(札幌AIラボ ラボ長 / 北海道大学大学院情報科学研究院 教授)、道場総師範の中村 拓哉氏、岡田 隆太朗氏(JDLA理事 兼 事務局長)の3名に登壇いただき、これまでの札幌AIラボの取組を振り返りながら、AI技術やAI道場のこれからについてお話しいただきました。

―産学官が密接に関わり合い「AI道場」のような取組を進めており、札幌市は本当に理想的な状況だと思っている。他地域でも同じようなことをやりたいという声も聞いているが、その役割を担える者が不足しており、なかなか実現が難しい。道場の取組が旭川や苫小牧などの北海道内にも拡がって、第2・第3の道場ができることを凄く楽しみにしている。(岡田氏)

―大学にいるAIの研究者がもっと外に出ていかなければいけない。ただ、研究者の評価対象はあくまで研究成果であって、このような学外における社会貢献のような取組は評価されないため、どのようにインセンティブを創出するかが重要。札幌市については、仕組みづくりは色々していただいているし、AI道場へのサポートもいただいているので、成立しているのだと思う。(川村氏)

―これまでAI道場を1期、2期とやってきた結果、演習に留まらず、社会実装に向けた本格的な開発に繋がったケースも出てきている。道場を通じてPoCが成功したものを実装し、その結果企業の生産性が向上して売り上げが上がる、こういったかたちを地域の金融機関を巻き込んで行っていきたい。(中村氏)

―今はみんなが当たり前に使っているスマホも、出たばかりの頃は「ガラケーで充分」「スマホなんか不要」といって使わない人がいっぱいいた。AI技術についても、10年後の世の中ではみんなが当たり前に使っていると思う。こういったものは先行者利益というものもある筈なので、是非、AI道場やJDLAをきっかけに、いち早くAIを仕事で使えるようになってもらいたい。(岡田氏)

―これからも我々は産学官で連携しながらAI道場をはじめとした取組を進めていきたいと考えているが、参加者の方々についても、全員が当事者になって取り組んでいくべき内容だと思うので、みんなで連携して、新しいビジネスを創っていく、こういった意識を持ってもらって、是非今後もご協力いただきたいと思っている。(川村氏)

7.最後に

札幌AI道場・第三期の成果については、2025年2月頃開催予定の成果発表会で公表させていただきます。
また、札幌AIラボでは、JDLAが主催するAIエンジニア認定資格取得を目指した「E資格チャレンジ」の実施も予定しております。 
※詳細はこちら
これからも、AI技術の社会実装を先導する都市「さっぽろ」の実現を目指し、引き続きご協力をお願いします。

 

 

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